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健康コラム

ナノプラスチック


 今では、ペットボトルで水やお茶を持ち歩き、そこから水分補給を行うのは普通になっています。

 ペットボトルがない時代は、水筒を持ち歩いていたのかと思うと、どこでも水などが買える今は、便利になっているのだと実感します。

 しかし、ペットボトルの中には、微細なプラスチックの粒子が何十万個も含まれているようです。

 米コロンビア大学の研究では、1Lのペットボトル入り飲料水の中に検出可能なプラスチック粒子でも、平均約24万個含まれていることが分かってきました。

 さらに10個に9個はナノプラスチックであることが明らかになっています(1ナノメートルは1メートルの100万分の1の大きさ。これよりも小さいものがナノプラスチックとなります)。

 プラスチックは基本的には分解されず、どんどん小さくなっていくだけです。

 理論的にどこまで小さくなるかに限界はないともいわれています。

 ナノプラスチックは非常に小さいため、 腸や肺を通過して血管内にも入り、最終的には心臓や脳などの臓器に蓄積しているのです。

 今後、これがどのように影響してくるのか未知数ですが、こいういったものも体外に排出できるように体が働いてくれたらと思います。


蕁麻疹で癌?


 夏場は半袖の服装が多いためか、皮膚トラブルもよく耳にします。

 皮膚の一部が突然赤く盛り上がり、痒みも伴う場合もあってしばらくすると消えてしまう蕁麻疹。

 人がイラクサ(蕁麻(じんま))の葉に触れると似たような皮膚症状が現れることからこの名前がついたそうです。

 デンマーク・オーフス大学病院の調査研究で蕁麻疹の患者は、そうでない人と比べると診断後1年間でがんになるリスクが49%高く、その後の数年間でも6%でリスクが増えていると言います。

 年齢などでも変わってくる結果だとは思いますが、隠れていたがんが、蕁麻疹になるのを活発化した可能性やがんと蕁麻疹が共通の危険因子がある可能性も考えられます。

 今後の研究でまた分かってくるとは思いますが、蕁麻疹は、はっきりと原因が分かるのは全体の10~30%程度でほとんどは原因不明です。

 寝不足や仕事などのストレス、子供では風邪や学校などでのストレスが原因となることがあります。

 そういった事から、免疫自体が弱っているのも影響しているかもしれません。


肺非結核性抗酸菌症


 最近の気温変化は差が激しく、咳が出ている方も多いのではないでしょうか。

 これは寒暖アレルギーの影響も考えられます。

 それで、自律神経が乱れている事も多いのですが、花粉や黄砂で喉に負担をかけているパターンもあります。

 最近では長い間、咳が続く症状が増えているようで、風邪や新型コロナウイルスではなく、自然の中では土や水などに生息していて、家などでは、台所や風呂場などの水回りに常在菌として生息している菌を吸い込み感染を起こす「肺非結核性抗酸菌症」になっている人も増えています。

 咳が長期間続くのが特徴ですが、そこまで体がしんどく感じるわけでも無いためか、病院に行くほどではないと感じている人も多いようです。

 対処方法としては、水回りの掃除でぬめりやシャワーヘッドの掃除をすることで、菌が生存しにくくなり空気中の菌が少なくなるようです。


エアコンで喘息?


 暑さが増すと脳卒中も増えるというデータもありますが、水分不足で血液がドロドロになっているのも、血管が詰まりやすくリスクが増えることも考えられます。

 喘息は大気汚染をしている物質やアレルゲンを吸い込む事などが関連していることが知られています。

 最近では、喘息の症状がエアコンの冷気を吸うことで現れやすくもなっているとも言われています。

 気温の高さが喘息による入院の増加に関連するという報告も存在していて、日本でも夏季に気温が高くなると夜間の喘息増悪による来院が増加したことが報告もあります。

 調査で、2002~19年の間に夏のぜんそくによる入院数を調べたところ、その結果、夏季の気温上昇が喘息による入院数が増え、中でも16~64歳の男性で多い傾向にあったそうです。

 体調は、急激な温度変化によって左右されることがあります。

 暑い時期は、熱中症に意識が向きやすく涼しくしようとしますが、いつの間にか体が冷えていることもあるので注意が必要ですね。

 また、エアコン内やフィルターなどの汚れを吸っている可能性もありますので、掃除もしっかりと行いましょう。


白内障


 暑さが増し、強い日差しで紫外線が気になる人も多くなっているのではないでしょうか。

 紫外線は皮膚への影響だけでなく、眼病リスクを高めるという報告も増えています。

 最近では紫外線だけでなく、温度や熱中症の既往歴も白内障になる可能性があると言います。

 生涯で浴びる紫外線量が多いと、眼にある水晶体の表面層(皮質)が白く濁る「皮質白内障」の発症と関係があるとされていましたが、本当は水晶体の中心(核)が硬くなる「核白内障」になる可能性が最も多いようです。

 これは紫外線の強さで変化している可能性が高いとも考えられています。

 また、子供の時の紫外線を浴びた量が、大人になって白内障リスク因子として大きいも分かってきました。

 日本では使用が多い日傘は、眼に対しては紫外線を10~30%程度しかカットしませんが、帽子は種類によってがは20~70%、サングラスは50~98%とも言われています。

 帽子とサングラスを併用することで95~99%カットできるので、組み合わせて使用するのが良さそうです。


キシリトールで心筋梗塞、脳卒中?


 砂糖と同じような甘さがありながら、カロリーも低く虫歯になりにくい甘味料と言えばキシリトールです。

 大量に摂取するとお腹がゆるくなるのも有名な話ですが、このキシリトールの摂取量が多いと、心筋梗塞や脳卒中などの発生リスクが高まる可能性のあるようです。

 研究の結果では、空腹時に血漿中のキシリトールが増加していると血小板の反応性や体内の血栓形成に関係する数値がアップしているので、体内で血栓ができやすい可能性が出てくというわけです。

 多少のキシリトールではそこまで影響は無いようですが、いろいろと人工甘味料がある中で健康に影響があるのも増えてきているかもしれません。


動脈硬化


 動脈硬化と言えば生活習慣病で起きやすい病気だと思いますが、実際は、かなり昔から存在していた可能性が出てきました。

 そもそも動脈硬化は老化現象の一つとも言われてはいますが、アメリカにある心臓の研究所がミイラのCT画像データ検査を行ったところ、調べた結果37.6%が動脈硬化もしくは、ほぼ動脈硬化があると確認できたそうです。

 動脈硬化が認められる場所を多い順に並べると、
 大動脈が21.5%
 腸骨-大腿動脈が20.7%
 膝窩-脛骨動脈が16%
 頸動脈が14%
 冠動脈が0.4%

 以上の結果がわかりました。

 男女差は特になかったようですが、人間には生まれつき動脈硬化のリスクがある可能性がこの研究結果ではわかってきたようです。

 食べ物以外にも、ストレスや環境の変化でも動脈硬化につながる場合もありますので、もしかすると、古代人では今以上にストレスが多かったかもしれません。


塩分の取り過ぎに注意


 塩分のとり過ぎは動脈硬化や心不全、心筋梗塞等のリスクにつながるとも言われ、これを排出する働きがあるのは、腎臓です。

 排出すると、腎臓に負担がかかり続けて疲れてしまいます。

 それだけ余分な塩分の摂取は健康には良くない影響が大きいとも言えますが、インスリンの働きを助けることで、血糖値の上昇を緩やかにもしています。

 また、塩に含まれるナトリウムやカルシウムは、体内の神経や筋肉を正常に機能させるためにも必要です。

 いわゆる悪い塩は、精製された塩、、、 ミネラルがほとんど無く、塩化ナトリウムだけのものが良くないのです。

 カルシウムやマグネシウム、カリウムなどといったミネラルが含まれているからこそ、体では正常に働いてくれるわけです。

 それでも塩分の取りすぎには注意が必要ですが、できる限り天然の塩を選ぶようにするのも大切ですね。


ダイエットに糖質制限?


 夏が近づくと、ダイエットを始めようと思い立つ人も多いと思います。

 食事では、炭水化物を控えて糖質オフ、、、と考えますが、炭水化物に含まれている食滅繊維は栄養の吸収を抑える働きがあるなど、大切な働きもあります。

 糖質は炭水化物のうち、体内で消化・吸収されてエネルギーとなるものです。

 炭水化物にはエネルギーになる糖質と、人の消化酵素では消化されずほとんどエネルギーにならない食物繊維があります。

 糖質の中でも、果糖(フルクトース)、ショ糖(いわゆる砂糖)は高脂血症を悪化させるので注意が必要です。

 食物繊維は水溶性と不溶性の2種類があり、水溶性と小腸での栄養素の吸収を緩やかにして、食後の血糖値上昇を抑え、コレステロールを吸着し、体外に排出促進させやすくする、血中コレステロール値を低下させます。

 ダイエットでは炭水化物は遠慮しがちですが、それに含まれる食物繊維には良い効果があるようです。

 1日1杯のコーヒーを飲むことで、早食いによるメタボリックシンドロームを予防できる可能性もあります。


口の菌が胃がんに?


 世界的に見ても日本は、胃がんの罹患率が多いとも言われています。

 最近では様々な研究が進み、口腔内の細菌から胃がんを見つけようとしているアメリカの大学での研究があります。

 この研究によると、胃がんの患者から採取した口の中の細菌は、健康な人とは明らかに違ってようで、
 「口腔内のマイクロバイオームと、胃のマイクロバイオームはつながっており、口腔内にどのような細菌がいるかを知ることで、胃の環境についても知ることができる。」
と研究者は見解を示しています。

 胃がんになると口腔内の細菌は、ヘリコバクター属、セレノモナス属、ラクトバチルス属など、32種類の細菌属が増加しているのが判明しています。

 これは、胃の環境が変化して細胞が、がん化し始めると同時に、口腔内のマイクロバイオームにも変化が生じている可能性があると考えられます。

 今後は、検出される菌がさらに絞り込まれ、口の中から細菌を調べる事で、胃がんが判明する検査が確立してくるのではないでしょうか。



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