健康コラム
なぜ、「ガン」に?抗ガン力の高い食品は?
なぜ、「ガン」になるのでしょうか?
私達が毎日、食事、活動、睡眠・・・ と生活している間、体は休むことなく働き続けています。
それは私達人間を構成している約60兆個の細胞のレベルでも同じ事です。
特に細胞は「新陳代謝」といって、古くなった細胞は死に、また新しい細胞が生れる・・・といった作業をのべつまくなしに行っています。
しかし、紫外線や放射線、電磁波、一部の化学物質などによって一つの細胞の遺伝子が異常を起こし、異常な遺伝子をもった細胞が分裂していくと、突然変異のがん細胞が生れます。
人間の一生を80年と仮定すると、細胞が「がん化」する回数は・・・なんと
少ない人で、約 1億回 (約30秒に1回)
多い人は、約 10億回 (約 3秒に1回)
これは例外なく殆ど全ての人に当てはまることなのです。
呼吸をしているだけでも、身体のどこかで細胞がガン化しているのに、全ての人がガンにならないのは何故なのでしょうか?
それは、人間の身体には、自己免疫力があるからです。
例えば、1つの細胞ががん化した時、
免疫に働く血液細胞、
マクロファージ
リンパ球
キラー細胞
NK(ナチュラルキラー)細胞
などが、がん細胞を攻撃してやっつけてくれるのです。
これら免疫力のおかげで、日々、身体のどこかで発生しているがん細胞は、日々、死んでいっているのです。
それでも!!私達はあらゆる発ガン物質の中で生活しているとも言えます。
老化や栄養低下、喫煙、ストレス、過労等で自己免疫力が弱まると、身体のどこかで発生した1個のがん細胞を見逃してしまいます。
そしてそのがん細胞は、身体の中でひそかに、しかし着実に増殖していくのです。
現代環境による慢性疾患は増加の一途を辿っており、食と免疫と健康について世界中から多くの科学者を集め、ガンや生活習慣病と闘うために、米国はプロジェクトを組織しました。
抗ガン力の高い食品は?
NCI(米国立ガン研究センター)H.ピアソン博士の提唱により、「デザイナーフーズ・プログラム」なる国家プロジェクトが行われました。
膨大な疫学調査データをもとに、食品がもっている生理調節機能と病気の関係に着目し、ガンの予防に食品がどのような機能を果たすかを、科学的に解明することを目的にスタートし、127種類の食品の抗がん作用を調べました。
プログラムの中で、ガン予防効果の高いと報告のある40種類の食品が、効果の高いものを頂点にピラミッド型(フードガイドピラミッド)で示されています。
最も抗ガン力の高い食品のトップに「にんにく」が挙げられています。
≪プロジェクトのテーマ≫は
◆野菜や果物などに含まれるガン予防の有効成分を、科学的に分析するにはどうしたらいいか。その方法を確立すること。
◆有効成分を試験管レベルだけでなく、動物実験、最終的には人間に投与して評価すること。
◆ガンを抑制する因子がどのように作用するか、科学的根拠を解明すること。
◆実際にガン予防などの機能を持った食品や飲料をつくりだすこと。
※現在、2000種類の植物栄養物質がわかっています。そのうちニンニクには216種類が含まれていたのです。
◆動物実験では、多くのがんに効果があることがわかっています。また、疫学的な研究では大腸がん、胃がん、食道がんにたいする予防効果が確認されています。と湧永製薬は語る。
実は、生ニンニクには有効成分があまり含まれていません。
・がん予防にニンニクが効くって本当か? 週刊朝日 217号
胃がん、大腸がん、食道がん、前立腺がん。ニンニクを食べるほど、がんになりにくいことがはっきりしてきた。例えば、ニンニク類10グラムが前立腺がんのリスクを半減させるという(他のがんでも効果があると期待され、確認の研究が進んでいる)。
・中国の江蘇省での調査で、食道がんの予防効果があることもわかってきた。
・米国アイオワ州の女性約4万2千人を対象に、あらかじめ食生活を調べておき5年間追跡調査した。ニンニクを週1回以上食べている人は、まったく食べていない人と比べて、大腸がんになるリスクが半減していたという。
・ニンニクの多食、胃がん60%減少。NCIと中国の北京がん研究所が共同で、山東省の胃がん患者685人と胃がんでない1131人の食生活を調べた結果がある。
胃がんになる割合が60%も減少していた。またイタリアでも同様の調査で、胃がんを予防できるとの結果が出されている。
・米国がん研究所NCIの昨年11月の同研究所内の報告書で、前立腺がんになった男性238人と、彼らと年齢などを一致させた健康な男性471人の食生活などを分析。発がんの原因を探る症例対照研究の結果、にんにくの前立腺がんに対する予防効果を確認したと発表されている。
・発酵ニンニクに強い抗がん作用
ニンニクを熟成させてできる黒い発酵ニンニクの成分に、生ニンニクよりも強い抗がん作用があることが、マウスを使った動物実験で明らかになった。実験ではマウスにがん細胞を移植。
2日目と4日目、6日目にそれぞれ1回ずつ、発酵ニンニクから抽出した成分1ミリグラムを注射で投与、3週間後のがんの大きさを比較した。
その結果、マウス5匹に投与したケースで、2匹でがんが完治。ほかの3匹は、がんの大きさが比較対照群に比べて、約4割に縮小した。2回目の実験でも3匹でがんが完治。ほか2匹は、がんの大きさがほぼ半分となった。生ニンニクを使った同様の実験では、がんの大きさは約6割と小さくなったものの、完治したマウスはなかった。
一方、試験管を用いた実験で、発酵ニンニクをがん細胞に直接触れさせてみたところ、がんに変化はなかった。発酵ニンニクの抗がん効果は、がん細胞に直接作用するものではなく、体内の免疫を活性化させたものと推測される。
佐々木教授は、マウス10匹の皮膚に600万個のがん細胞を移植。3週間後、特に処置されなかったマウス5匹の腫瘍は2倍近くまで増えた。しかし、発酵ニンニクから抽出した成分3ミリグラムを2日おきに3回にわたって注射されたマウスのグループでは2匹が治り、残る3匹の腫瘍も5分の1程度まで減った。
同様の条件で再び実験したところ、発酵ニンニクの成分を与えられたマウス5匹のうち3匹の腫瘍は治り、2匹の腫瘍は半分近くまで減少。しかし、生ニンニクの成分3ミリグラムを打たれたマウスの中で、腫瘍が治ったケースはなかった。
結果は、S-アリルシステインを与えなかったグループでは29匹が大腸がんになったのに対し200ミリグラムのグループで12匹、400ミリグラムのグループでは8匹しか大腸がんにならなかった。同じような実験が、さまざまな成分で行われ、皮膚がん、胃がん、肺がん、乳がん、食道がん、肝臓ガンで予防効果が確認されている。