健康コラム
リンパマッサージで痩せる?

私はこの方法で痩せたとか、小顔になりましたって。
私もこの人たちのようにスタイル良くなりたい!って思いますよね。
あれは本当なのでしょうか?
結果論としては噓ではないと思いますが、リンパマッサージで痩せたのではないと思います。
動画でよくあるマッサージで痩せたというのは、リンパというよりも細胞の間に滞っている体液を押して動かしているだけだと思われます。
人間の体の60%は水分です。
40%が細胞に存在。
15%が組織液(細胞外液の内、血液とリンパ液を除く体液)に存在。
4%が血漿(血液の水分)に存在。
1%がリンパ液や脳脊髄液に存在。
リンパ液は1%未満です!
血管からは常に水分が組織液に漏れ出していますが、組織液に溜まった余分な水分(浮腫み)をリンパ管が吸収します。
リンパ管に吸収されるのであれば、リンパマッサージは効果あるじゃん!と思いますよね?
ところが、
10%はリンパ管へ。
90%は血管へ再吸収されるのです!
リンパ管へはたったの10%...
それも、組織液に溜まった内の余分な水分のたった10%ですからね。
効率悪くね? 笑
さらに、血液は心臓から送り出されると、全身めぐって約40秒で戻りますが、リンパ液は足先から静脈角(鎖骨のあたり)にまで到達するのに8~12時間かかるといわれています。
でも、浮腫みとれているもん!と反論されると思いますが、リンパ管は納豆をねば~っと伸ばしたような細い管(場所によって違いますが0.2~0.8mm大)ですし、リンパ節は小豆くらいの大きさ(1cm以下)です。
そんな細い管をマッサージしたら、押しつぶされて返って流れなくなりますよ。
でも、細くなっているもん!
と反論されると思いますが、例えば体をビーズクッションに例えると、カバーの中に一定のビーズが入っています。
押せば押した場所が凹み、他の部分にビーズが動きますよね?
雑に言うと、人体は水風船のような構造に近いので、ある程度に圧力をかけて押し出せば、多少は体液の移動が起こり、押した場所は厚みが減り、他の部位に流せるので、確かに細くにはなると思います。
ただし、流した後の体液は直ぐにリンパ管や血管に吸収されるわけではないので、数時間から数日には元に戻る一時凌ぎです。
まあ、戻る前にまた行えば、細い状態を維持できるかもしれませんが。
でも、体重が5kg減ったとか言ってるもん!と反論されると思いますが、体重を減らすには食事コントロールと運動です。
摂取カロリー<消費カロリーとすることによって、カロリーの不足分を体脂肪からエネルギーを使って体重を減らしていきます。
運動することによって、カロリーの消費、脂肪燃焼を加速させます。
リンパをマッサージしても脂肪燃焼はしません。
体重が落ちたという人は、頑張ってリンパマッサージをしているからと、意識的にか無意識のうちに食事コントロールをしていると思われます。
ラ〇ザップでもエステでも、食事制限キッツいですからね~ 笑
ところで、YouTubeなどを見ますと、ゴリゴリ、ゴシゴシしている映像がすごく多いです。
綺麗な人が
「痛いけど頑張って!!」
ん?痛いのを我慢してやれと??
リンパマッサージに限らず痛みを感じるということは、体から危険信号を出している状態です。
強い力で繰り返し押したりこすったりしているわけですから、リンパ管はもちろん、皮膚や筋肉、血管や細胞などにダメージを与えています。
皮膚が赤く痛くなるのは、摩擦や内出血などによるダメージで、皮膚が傷付けられ、傷口から細菌感染するリスクも。
全てではないですが、多くのリンパマッサージをうたっている所は、強くて痛いマッサージです。
中には
「うちのリンパマッサージは痛いです!」
「痛いのが効いている証拠です!」
と堂々と言い切っているお店、セラピストもいますからね。
本当のリンパマッサージは、撫でる程度の力加減です。
それで十分、リンパは流れます。
解剖学の先生曰く、
「リンパ管は血管と大体平行に走っている構造だから、極論、どこ押そうとリンパマッサージと言えてしまう。外側からアプローチできる範囲の浅層のリンパの流れを補助するという理論がきちんとあるリンパドレナージュ以外は基本詐欺」
ということです。
リンパドレナージュは美容のためではなく、リンパ浮腫などの病気のためにあります。
怖いことに、ごっちゃになって使われておりますが。
しかし、リンパマッサージで痩せるなどの効果をうたっている所がなんて多いのだろう...。
勘違いする人、めちゃくちゃ量産しているんだろうな~。
綺麗な女性が笑顔でこれで痩せた~言われたら、そりゃ、勘違いするよね。
なぜ、リンパマッサージという言葉が広く使われているかと推測すると、ヨーロッパ発祥だから、なんか効く気がしたのかな?
日本で有料で「マッサージ」を行うには「按摩マッサージ指圧師」という国家資格が必要です。
面白いのが、今の日本の法律では、マッサージを行うことは国家資格が必要ですが、マッサージという言葉を使って看板を出すことは禁止されていません。
そのため、多くのお店では
「マッサージしますね」
とは言えませんが、「リンパマッサージ」「もみほぐし」「〇〇式マッサージ」「リラクゼーション」「リフレクソロジー」などの言葉を駆使してマッサージ行為を行っています。
悲しいことに、体に負担をかけるマッサージを行っている所が多いようですが。
そして、強くて痛いのが効いていると勘違いされている方も、お店側、お客側、双方に多いです。
個人的にはマッサージを受けるのは大好きですよ。
気持ちいいですからね!
よだれもんです(*´﹃`*) ダラァ
結論:
リンパマッサージでは痩せません。
そして、どんな名前のマッサージでも、正しいやり方のマッサージであれば血流が良くなり、リラクゼーション効果や疲労回復効果なども期待できます。
しかし、痩せるには、適切な食事と運動が必要です。
マッサージが悪いわけではないので、併用しながら行ってください。