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健康コラム 新型コロナウイルス: 2021年10月

新型コロナワクチンはいくら?

 

 新薬や新ワクチンの開発には多額のコスト

 新型コロナウイルスのワクチンや治療薬の価格が次第に明らかになってきています。

 ワクチンは米ドルで20~30ドル、最近注目されている「抗体カクテル療法」は131万円もかかるようです。

 いずれも公費負担なので、自己負担はありません。

製薬会社に大きな利益

 ワクチンについては、「ワクチン市場規模、最大8兆円に 日本の契約金額は非公表」朝日新聞(2021624日)。

 同紙は「日本政府はワクチンの契約金額は明らかにしていない」としつつ、米国の医療情報提供会社IQVIAの調査結果を引用しています。

 米ファイザー製
20ドル、米モデルナ製30ドル、英アストラゼネカ製8ドルだと報じています。

 ロイターも
7月にファイザーワクチンは接種1回分が19.5ドルと報じています。

 日本で16歳以上の8割が今年度中に接種すると考えた場合、21年度のワクチンコストは最大約3000億円になり、世界全体で今年のコロナワクチンの市場規模は、最大約750億ドル(約8兆円)になるとIQVIAは推計しているようです。

 昨年、世界で売り上げが最も多かった薬の領域は抗がん剤で約17兆円。

 
2位は糖尿病治療薬で約12兆円でした。

 コロナワクチンは、それに次ぐ規模の売り上げとなり、同紙は「ワクチンの開発に成功した一部の製薬会社は大きな利益を得ている」と書かれています。

菅前首相が明かす

 治療法では「抗体カクテル療法」が注目されています。

 中外製薬の点滴薬「ロナプリーブ」を重症化リスクのある軽症・中等症患者に
1回投与した時の価格をオープンにしたのは菅義偉・前首相です。

 毎日新聞によると、
20211012日、菅前首相はインターネット番組で「ロナブリーナ」の価格などについて語りました。

 「実は131万円なんですよ。非常に高価だがよく効く」と述べるとともに、当初は20万回分の調達を予定していたが「買えるだけ買え」と指示しました。

 計
50万回分に増やしたそうです。

 発言に基づけば、ロナプリーブの調達費は単純計算で
1550億円となると同紙。

 厚生労働省によると、中外製薬との契約では、購入価格や数量は明らかにしない秘密保持の条項が含まれているそうで、厚労省幹部は同紙に、菅氏の発言について、「秘密保持の対象で、価格、量ともにノーコメント」と語っています。

全て国が負担

 これまでも「抗体カクテル療法」については、「きわめて高価」「一回10万円以上」などといわれていました。

 このため、「軽症患者全てに使うことはありえない」という指摘が医療関係者から出ていましたが、今回の菅前首相による価格公表は、そうした懸念を裏打ちすることになりました。

 新薬や新ワクチンの開発には多額のコストがかかります。

 したがって、価格自体は不当に高いものではないと見られています。

 ワクチンについては、このほか接種1回ごとの医師らに原則2070円の対価が支払われています。

 ワクチン代も接種費用も、「抗体カクテル療法」もすべて国の負担です。

 国は今後、国産ワクチンや治療薬の開発支援を強化するとしており、コロナ禍は国家財政にとって重い支出となっています。


なぜ感染者が減っているの?

 緊急事態宣言が解除になって、このまま落ち着いてくれればと本当に思います。


 今回、なぜ感染者が減っていったのかは、まだはっきりしたことは分かっていないようですが、様々な仮説はあります。

 仮説の1つとして「エラーカタストロフの限界」が注目されているようです。

 これは、ドイツの生物物理学者でノーベル化学賞受賞者のマンフレート・アイゲン氏が1971年に発表したものです。

 これは、ウイルスが増殖する際にコピーミスが起き、変異株が出現し、その中には増殖の速いタイプのウイルスが生まれ、急速に感染が拡大していきます。

 しかし、増殖が速ければコピーミスもさらに増え、ウイルスの生存するために必要な遺伝子まで壊してしまい、そこから、ウイルスが自滅するという考え方です。

 それを考えると、新型コロナウイルスのコピーミスにより、急速に感染拡大した後に、コピーミスが「エラーカタストロフの限界」を超えた事で、ウイルスの自滅が始まり、感染が急速に減少したのではないかとの見解になります。

 あくまでも仮説で、絶対だとは言えませんが、様々な見方があることを改めて実感します。

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